若者VS大人、現役世代VS高齢者、等の世代間対立が流行しています。
Fridays For Futureのような気候危機対策を求めて真面目に運動をしているように見える人たちや、ヘイトスピーチをしているような人たちまで、様々な人々の間で流行っています。
実際は異なる世代間で利害は対立していません。貧困状態の若者がいればその親も祖父母も低収入だったり、金に余裕のある中高年がいればその子や孫も金に余裕があったりします。
一方で、富を合法的に不当に多く持っていっている人と、不当に少ない富しか手にしていない人の間では利害が対立しています。階級対立と言われるような種類のものです。
しかし階級対立があることを知っている人は少なく、実際には利害が対立していない世代間に「世代間格差」が存在するのだと強調され「世代間対立」が流行っています。
以前は世代間対立など流行していなかったが別の対立はあった
2000年代の初めの頃なら、世代間対立など流行っていなかったのではないでしょうか。
その頃はわたしは20代で社会人で働いていて、政治運動や社会運動などもしていましたが、社会の中で「若者VS大人」「現役世代VS高齢者」などの構図で「世代間対立」などというものが流行っていたり、誰かが世代間対立を煽ったりしていた覚えはあまりありません。
民間VS公務員 の虚構の対立は煽られていた
虚構の対立を煽ると言えば以前からあるものに「公務員VS民間企業の労働者」という図式がありまます。
実際には利害が対立していない公務員と民間企業の労働者の間が対立すると、結果的に労働者たちは富を不当に多く持って行っている大資本や大資本から企業献金をもらっている政党などの利権集団から操り人形として操られることになります。
いつでも対立は煽られる 対立させると支配しやすいため
アメリカ合衆国でも様々な対立が煽られて、大統領も民衆間の対立を煽る発信をして、様々な対立が起きています。
ヨーロッパ諸国でも極右ポピュリズム政党のような政党が台頭し、憎悪犯罪も起きているとニュースで見ました。
日本やその他の国々でも、出所がどこかは分かりませんがいつも様々な対立が煽られます。
対立せずに団結し協力すると幸せな社会ができてしまう
人々が協力して気候危機対策や富の公平な分配を求めるようになると、誰もが幸せに暮らせる公平な社会ができてしまいます。
民衆たちが一致団結して気候危機対策や富の公平な分配を求めるようになると、会社経営者やスポーツ選手などが大金持ちになることはできなくなり小金持ちにしかなれなくなる一方で、多くの人の収入が増えて教育や医療や社会福祉制度なども今より充実して誰もが命の尊厳を守られて文化的に幸せに生きらる公平な社会ができてしまいます。
誰もが幸せに生きられる公平な社会になってしまうと不公平に富をたくさん分捕っている大資本や大資本から企業献金をもらっている政党などの利権集団にとっては都合が悪いので、民衆がよく勉強して一致団結したりしないように民衆どうしで対立するような言説が流されるようです。
アメリカ合衆国の対立、分断の例
様々なところからそのような言説が流され、それを信じた民衆たちがさらに対立を煽ります。
アメリカ合衆国の場合なら一部の市民たちが赤地に白い文字で「Make America Great Again」と書いてある野球帽をかぶって国旗をかかげて移民排斥などを訴えて車で行進したりしているのをニュースでよく見ます。
気候正義を求める運動で世代間対立の言葉を聞くようになった
わたしの場合は、気候変動対策を求める運動で「若者VS大人」などの世代間対立の言葉を聞くようになりました。
Fridays For Future の人がよく「若者VS大人」の対立を強調する
ネットやテレビなどで、Fridays For Future の運動に取り組む人が「若者VS大人」という対立構図で発言しています。
「“世代間格差”がある、これが重要で問題だ」と、FFFの人や、FFFと付き合いの深い活動家のような人や、FFFと付き合いの深い広告業界の人や、FFFと付き合いの深い実業家のような人などが強調しているのをよく見かけます。
現在の高齢者も中年も若者も、自分より20〜30歳以上上の世代の政治運動や社会運動不足の結果を受けて自分自身も苦労して生きて、自分より20〜30歳以上下の世代から「貴様たちはきちんと運動をしていたのか。ひどい社会を引継ぎおって」と言われます。
一人の人間が0歳で生まれて何歳か何十歳か百数十歳でこの世を去っていくので、多くの人が「若者」「中年」「高齢者」を経験していきます。
しかし、気候変動の場合は人類が滅亡する可能性が高く従来の問題以上に深刻で、西暦2000年以降に生まれたような人たちなら
「貴様たち中高年は少なくとも気候変動によって死なずに逃げ切れるかもしれないが、俺らわたしらは残りの人生が比較的長いので死ぬ可能性が高いのだ。地球温暖化をめぐる政治運動・社会運動が足りなかった貴様たちを断罪する。」
という気持ちになるのは当然で、今まで以上に「若者VS大人」という対立構図が強調されたのではないかと思います。
怖くなり、Fridays For Future のデモやイベントに行くのはやめた
自分の地元でもFridays For Futureのデモ行進などは開催され、気候変動の問題は深刻で全世代が取り組まなければならないので、わたしもネットで情報を知る度に参加してきました。
しかし、「おい中年、貴様を断罪する」などと直接言われることはないものの、メディアなどでFridays For Futureの人たちやその関係者らが「若者VS大人」という対立構図を依然として強調し続けているので、中年のわたしはだんだん怖くなり、最近はFridays For Future が呼びかけるデモなどの取り組みに参加しなくなりました。
気候変動を止めなければ人類が滅亡してしまうことは明らかで運動は強めなければならないので、FoEの会員として取り組めることに取り組んだりFFF以外のデモなどの取り組みに参加したりネットでの発信などを続けています。
「現役世代VS高齢者」の世代間対立を煽る言葉をよく聞くようになった
国や自治体の予算の使い方をめぐって「現役世代VS高齢者」という世代間対立を煽る言葉をよく聞くようになりました。
架空の「世代間対立」が流行り、高齢者ヘイトが流行するに至った現在
「世代間格差」が強調され、架空の「世代間対立」が煽られた結果、高齢者ヘイトのような言葉も流行するようになりました。
高齢者は医療費などがかかるので自殺しろ、というような感じのヘイトスピーチのようなことを言っている人間をテレビのバラエティー番組が出演させていたり、「NEWS23」などの比較的まともなニュース番組だと思っていたテレビ番組もヘイトスピーチのようなことを言っている人間を出演させたり、毎日新聞がヘイトスピーチのようなことを言っている人に執筆を依頼して文章を連載していたり、北海道新聞が高齢者ヘイトのようなことを言っている人を招いたイベントを主催したりしています。
ジャーナリスト・教育者という肩書のお笑いタレントが高齢者に対する敵意剥き出しのヘイトスピーチの動画を配信したりしています。
【15分ライブ】2023.4.18 たかまつなな氏取材 単独アフタートーク 阿部岳Tube
「シルバー民主主義」という言葉も流行っている
「シルバー民主主義」という言葉も今なお流行っています。
まともな取り組みをしていると思える「目指せ!投票率 75%プロジェクト」なども「シルバー民主主義」という言葉を言ってしまったり、TBSの報道番組で普通に使ったりしています。
「目指せ!投票率 75%プロジェクト」はその後「シルバー民主主義」という言葉の使用について訂正し謝罪しています。
その際に発表された以下のPDFの文書で、「シルバー民主主義」という言葉と「世代間対立」を煽るやり方の何が問題か整理して書かれています。
訂正と、今後「シルバーポリティクス」「シルバー民主主義」を使わない理由 目指せ!投票率 75%プロジェクト実行委員会
高齢者を敵視し、高齢者を殺せと言う若めの人まで出てきた
今では“高齢者を殺せ”というような感じのことを言う中学生や高校生や大学生や若めの社会人まで出現してきました。
少し前には、セミナーか何かで男性が高齢者は自殺させるのが良いと言ったり、社会から高齢者を消し去るための具体的な方法について質問している中学生の映像が有名になり、テレビや新聞報道等でも問題として少し取り上げられていました。
地方自治体では、公共交通機関の敬老優待乗車証などの制度について市民から意見を聞く場で、若めの人も参加して住民の権利を守る立場ではなく高齢者のために税金を使うなという趣旨の発言をしたりしていました。
このような状況になってくると、高齢者を殺せ、というようなことを主張すると若い者にウケが良いので世代間対立をあおるような物言いをする政党も出てきました。
高齢者を殺すと若い者も最終的に殺される
10代や20代の人が「高齢者福祉に税金を使うと若い私の負担が増えるので、若い私の負担軽減のために高齢者を殺せ」と言って高齢者を殺すとします。
そうすると10代や20代の人たちが自分の祖父母を殺します。
少しして10代20代の人も歳をとってきて両親が高齢者になってきたら、その人たちは自分の両親を殺します。
10代20代の人がさらに歳をとってきて高齢者になったら、自分が子どもに殺されて人生を終えます。
高齢者の年金やその他の社会保障を無くすと0歳も10代も20代も30代も40代も50代も60代も70代も80代も90代も100代も全員損をする
高齢者の年金やその他の社会保障を無くして社会保険料や税金を下げて現役の若い者の負担を下げたとします。
20代30代の人の社会保険料や税金が下がり負担が減りますが、その人たちが60歳を超えてくると、すでに社会保障制度を無くしたので病院にかかるのも無理で医療を受けられず死に、年金も無いのでとんでもなく負担が増えます。
80年間ずっと20代の人間はいません。人間は生まれてから10代20代30代-60代-100代と段々年齢が高くなっていくので、結局、高齢者の年金やその他の社会保障を無くして現時点で若い者の負担を下げても自分が高齢になったときに負担増になり、若い者も含めて日本に住んでいるすべての人にとって人生全体で負担が増えます。
10代の人はまだ子どもで20代の人は社会人経験が浅くてそこまで頭が回りませんが、30代から110歳くらいの年代の社会人は知識も経験も増えて、学者ではなくても会社員なら一般人向けの新書や初歩的な専門書の100冊や1000冊くらいは読んだりもしていて、100歳の人なら1万冊くらい本を読んだりしていて知力も高まっているので、自分が若い時点での負担を減らした分だけ自分が高齢になった時に損をすることは言われなくても分かります。
「世代間格差」「シルバー民主主義」などが虚構であり問題を含んでいることをのべている論の数々
「世代間格差」「シルバー民主主義」などの言葉が流行り世代間対立が煽られ続けている昨今の社会でも、そういった世代間対立を煽る図式や言葉が虚構であり大きな問題を含んでいることを説明した論がいくつも出ています。
以下は「世代間格差」「世代間対立」「シルバー民主主義」などと言われるものの問題点などをのべたウェブの記事の例です。
訂正と、今後「シルバーポリティクス」「シルバー民主主義」を使わない理由 目指せ!投票率 75%プロジェクト実行委員会


世代間対立を煽る物言いを気にせず運動する
気候危機対策も若者向け予算確保もしようとしない若者ら・中高年ら
選挙結果の統計などを見ると、若い者も化石燃料業界と癒着している自民党などの政治勢力や他の極右政党に投票している割合は多く、投票自体に行かず気候危機対策を放棄している若者も多いです。
若くない者も、化石燃料業界と癒着している自民党などの政治勢力や他の極右政党に投票している割合は多く、投票自体に行かず気候危機対策を放棄している人は多いです。
若い者も、教育予算など若い者向けの予算を他の諸国並みに確保しようとはせず、企業献金を受け取って大企業優遇の政治をしている自民党などの政治勢力や他の極右政党に投票している人は多いです。
若くない者も、教育予算など若い者向けの予算を他の諸国並みに確保しようとはせず、企業献金を受け取って大企業優遇の政治をしている自民党などの政治勢力や他の極右政党に投票している人は多いです。
赤ん坊から見れば、「若者」も中高年も同様に化石燃料の利益を享受した者ら
今0歳や1歳の人なら、10代20代で「若者VS大人」の対立を煽っている人たちに対して
「おい10代20代やそれ以上の世代、貴様たちは化石燃料文明の利益を20年近くかそれ以上に渡って享受してきた人間だろう。俺たちは化石燃料文明の利益は全く享受しないのに被害だけを受け続けて人生を送る身なのだ。貴様たちを断罪する。」
と言いたいに決まっています。
本当の敵は短期的に富を不公平に分取っている人や資本
本当の敵は大人や高齢者ではなくて、短期的に富を不公平に分取っている人や資本などです。
化石燃料や原発のビジネスでこの先数年間は金儲けができる人がいたり会社があったりします。
その人や会社などが短期的な金儲けのために化石燃料を燃やしたいし、再エネの普及を妨害してでも原発を続けたいわけです。
資本は自己増殖する価値の運動体なので、短期的な儲けに影響がなければ地球環境問題など考慮せずに常に儲かる行動を取って当然で、自分が金儲けして増殖することよりも他人や子や孫やその後の世代の利益を優先したりしません。
富を不公平に分取っている一部の人や資本が短期的な金儲けのために化石燃料を燃やし続けたり原発で再エネ普及を妨害したりする結果、文明が続かなくなって富を不公平に分取っている人や資本と不公平に富を分取られて貧困に陥っている人も含めて全ての人間が死に絶えます。
敵を見誤るとそのような結果になります。
対立を煽る言説に惑わされずに主権者として努力する
引き続き勉強して実際に存在する階級対立の構図をよく学んで、化石燃料時代の設備を温存して収益を上げ続けたい財界の思惑をよく学んで、政治運動や社会運動や日々の業務に取り組んでいかなければなりません。
日本のカーボンバジェットを使い切るまでもう数年しかなく、ほとんど余裕はありません。