日本の戦争を伝えるテレビは被害の側面の番組が多く加害の側面の番組が少なく感じる

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テレビを見る人

8月頃を中心に第二次世界大戦のことを伝えるテレビ番組がいくつか放送されます。
そのようなテレビ番組は日本の人々の被害の側面を伝える内容が多く、加害の側面を伝える内容が少なく、バランスが悪いように感じます。

戦争における日本の人々の被害の側面を伝えるテレビ番組

アジア太平洋戦争の後半には日本各地で空襲があり、空襲の被害を伝えるテレビ番組がよく放送されます。

広島と長崎で原爆が使われ、原爆の被害を伝えるテレビ番組もよく放送されます。

沖縄では地上で戦闘が行われ、その被害を伝えるテレビ番組も少し放送されます。

アニメ映画の「火垂るの墓」もよく8月頃に放送されます。

このようなテレビ番組では多くの場合被害の側面だけを扱っています。
あたかも日本で平和に暮らしていたところ突然海の向こうから戦がやってきたかのように描かれている番組もあり、番組を観ただけでは日本が自分から中国や朝鮮や東南アジア諸国に行って殺戮などをしてアメリカ合衆国などに宣戦布告して、自分で侵略戦争を始めたということは全くわからない番組もあります。

被害の側面を伝える番組は大事

日本で住んでいる子どもから大人まで実際に被害にあっており、悲惨なことは二度と起こらないようするために被害の歴史を伝える番組は大事です。

核廃絶のために核兵器の被害を伝える番組は大事

核兵器を廃絶するために原爆の被害を伝える番組は大事です。
日本で実際に核兵器が使われた時に被害にあった人々の様子を伝えて、核兵器がどれだけ悪いものかを知ることで、核兵器は無くさなければならないと分かります。いつの日か無くそうというのではなく、いつまでに無くすと期限を決めて実際に無くさなければならないと分かります。

戦争における日本の人々の加害の側面を伝えるテレビ番組

アジア太平洋戦争は日本が自分から中国や朝鮮や東南アジア諸国に行って殺戮などをしたりアメリカ合衆国などに宣戦布告したりして、自分で始めた戦争だと分かる内容のテレビ番組は少なく感じます。

アメリカによる日本への空襲の被害を伝えるテレビ番組は頻繁に放送されますが、アメリカ合衆国が日本で無差別都市爆撃を行うよりも前に日本は中国で重慶爆撃という無差別都市爆撃を何度も行ったと分かる内容の番組もめったに見かけません。

アジア太平洋戦争は日本が始めた侵略戦争なのでアジア諸国やその他の多くの国々から見て日本が基本的に加害者ですが、日本の加害の側面を伝える番組はごくたまにしか放送されないように感じます。

ホロコーストなどのナチス・ドイツの残虐行為を伝えるテレビ番組は日本で度々放送されますが、南京事件や三光作戦などの日本の残虐行為を伝えるテレビ番組はめったに放送されません。

深夜に放送している「NNNドキュメント」や、ドキュメンタリー「解放区」などでたまに日本の戦争加害を伝えるドキュメンタリー番組を放送しています。
そのような番組を見かけたら「めずらしく日本の戦争加害の側面を伝える番組を放送しているのか」と思って、夜遅いので録画して翌日に観たりします。

戦争における日本の被害の側面の番組と加害の側面の番組のバランスが悪い

アジア太平洋戦争で日本人の犠牲者数は約310万人で、アジア太平洋諸国の人々の犠牲者数は各国の政府公表や公的発表によれば2000万人以上です。

犠牲者数から考えても、日本で戦争を伝えるテレビ番組を放送するとしたら日本の被害の側面を伝える番組と加害の側面を伝える番組が少なくとも同じくらいの数を放送するか、できれば加害の側面を伝える番組の方が多く放送されるくらいの方が適当だと思えます。

今の日本のテレビのように戦争を伝える番組と言えば9割は日本の人々の被害の側面を伝える番組という状況はバランスが悪過ぎます。
そして、戦争加害の側面を学んで自己批判精神を持っていないとまた戦争を繰り返します。

少し前にニュース番組の原爆の被害を伝えるコーナーで、原爆投下後の街でひどい被害を見て父親が“誰が戦争を始めたんだ”という感じのことを言って、それを聞いていた息子が心の中で“日本が始めた戦争を大人は支持していたではないか”と思って冷静に聞いていた、というような内容を伝えていました。

俳優やタレントが出演して日本の戦争被害を伝える番組の他に、戦争加害を伝える番組もあっていい

2025年の8月も人気の俳優やタレントのような人が出演して、戦争体験者に話を聞いたりして、特攻隊や原爆などの日本の民衆の戦争被害を伝えるテレビ番組を放送しています。

このような番組を放送するのはいいことです。

何ヶ月か前にドキュメンタリー「解放区」の特別編のような番組で日本軍の731部隊の実態を伝える番組を放送していました。
人気の俳優やタレントのような人が出演して、現地で被害者や被害者遺族などに話を聞いたりして、そのような日本の戦争加害行為の歴史を伝えるテレビ番組も放送してほしいです。

そのようにするとテレビを観た人が日本の戦争加害の側面も被害の側面も知って、戦争を起こさない社会を作ることができます。

制作者たちが頑張っているテレビ番組

「NNNドキュメント」と「解放区」でたまに日本の戦争加害責任を扱った番組を放送しています。

「報道特集」でもたまに日本の戦争加害責任を扱った特集を放送しています。

日常の疑問
筆者
わたし

差別や暴力が渦巻き、弱い者や不器用な者や真面目にやろうとする者を嘲り笑い、利他的な行動を偽善呼ばわりし、「老害」「シルバー民主主義」などの悪意の言葉が流行し虚構の世代間対立を煽る言説を信じてしまう人は多い一方で、実在する階級対立を認識できている人は少数しかいない今の日本社会と、差別や犯罪の温床と化したSNSや動画共有サイトなどのインターネットの世界に恐れを抱き、今日も怯えながら暮らしています・・・

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